電源の直付けについて
最近知人に、ノートパソコンの電源の調子が悪くて電源を直付けできないかと聞かれました。その電源ポートは、USB Type-C で、色々な場面で利用が増えている形式の電源です。
接続初期にネゴシエーション ?
昔から利用されてきた USB Type-A では、電源電圧は 5V固定で何の問題もなかったのですが、最近流行りの USB Type-C の電源は、挿す時の上下の向きも関係なく利用が便利で、供給できる最大電力の制限も緩和されていて、スマートフォンの充電でも低速充電から高速充電に移行できたりします。
USB Type-C の電源は、20Vで電気を供給する能力があることを、色々な情報から何となく知っていましたが、調べたこともなくはっきりした知識はありません。一般的なノートパソコンの定格電力は、40W前後だろうと推測しています。
5V で 40W の電力供給は無理
5V固定で 40Wの供給なら、単純に I = 40 / 5 = 8 (A) です。8Aの電流ってかなり多くて、一般家庭で 100V電源の延長に利用する簡易のテーブルタップのコードの許容電流が、7Aだったりするのを考えると、絶対に無理なのが分かります。
実際にノートパソコンに供給する電源は、USB Type-C でも、昔から利用されているプラグで供給する電源でも 20V程度で供給するものが大半です。
20V × 2A = 40W の単純な書式です。
一般的には最大でも 4A 程度
電流が単純に2倍になると発熱量は4倍になり、P = I × E = I2 × R ですから、単純に同じ電線を通る電流量が、1A から 10A に10倍に増えると電線の発熱量は 100倍になります。車の電源 12V で 10A 流すと、そこそこの太さの電線でも燃えてしまいます。
ではどのように電源を供給しているのでしょうか、USB Type-A の時にもデフォルトでは 100mAしか流れない電流を 500mA にする細工を昔経験したことがあり、電圧や電流制限を変更するためのネゴシエーションをしていることは想像できます。
CCピンでネゴシエーション
ネットの情報を調べてみると USB Type-C では、12ピンA と 12ピンB が 2列に並び 24ピンのコネクタを構成していて、CCピン がネゴシエーションに利用されていて、挿された向きについてもその信号線で検出しているらしいのが分かります。単純な直付けでも何らかの方法で 20V の電源を出せるようにする必要がありそうです。
問題のノートパソコン
知人の持つ問題のノートパソコンですが、次のようなものです。
問題の電源ポートは、
です。
定格表示から 20V で供給している
ノートパソコン本体と、電源アダプターの定格は、
と のようで、20V 供給のようです。
コネクタの交換は素人には無理
ノートパソコンを開けて電源ポートを見てみると 同じ形状のコネクターを持っていたとしても簡単に半田付できるようなものではありません。
巷に売られている DIY 製品
ネットの情報を探してみると USB Type-C から電源を取り出すための DIY 製品が色々あることを知りました。これらを利用すれば電源の直付けも可能のようにも思えます。それらの一部を次にあげておきます。
電圧を指定するショート位置が明示された と
安いけどちょっと分かりづらい でしょうか。他にも色々と売られています。
ゆっくり関わっている時間は無さそう
現状では、時間が足りなくて自分で抱えていることもできないまま時が流れていきます。妻からは『私は家事が忙しい、窓の掃除、玄関掃除、庭木の花弁が風で飛ぶのを拾っといて』とか色々と指示されています。
そのような中で、預かったままの問題のノートパソコンも触れる間も無く車の中に放置したままでしたが、切を付けたく昨日家の中に持ってきて調べ始めましたが、妻は自分で理解できることと自分の手伝い以外を全て趣味で時間を潰していると考える人なので、当然のことで今日の午前中には喧嘩になりました。
一旦返却して切を付けます
電源の直付けでも簡単にはいきそうもなく、一旦返すことにして切を付けようと思います。