今は梅雨空の雨も少ない中、蒸し暑く周辺は既に真夏です。そんな中で九州や西日本では想像を絶する被害のニュースが連日流れて来ています。あまりの境遇の違いに何か申し訳なく感じてしまう今日この頃です。
ニュースで伝えられる内容は、自然災害なので、私が何かできるわけでもなく、そんな中で取り上げる焼き芋の話題に少し不謹慎だと感じるのも仕方ありませんね。書き始めてから放置されて数ヶ月が経過してしまったため纏めようと思います。
冬になると店前に生のサツマイモが並んでいるのを目にする機会が増えますよね。真夏の今取り上げるテーマでもない気がしますが、実は数日前に寄った店内で太くて大きな紅はるかが置かれていて、それを焼き芋にしました。
焼き芋との出合いは、幼少の頃住んでいた長屋で、向かいの長屋には八百屋さんがあり、焼き芋の壺が置かれていました。それと裏庭で近所の子供達と焚き火をしながら作ったのが最初だろうと思います。
焼き芋は好きだったのですが、焚き火をする機会もなくなって、売られていても値段が高いので、小学生・中学生と次第に遠のき、最近までの生涯数十年で食べたのは数える程度しかありません。そんなわけで、芳ばしい匂いだけで、気になっても購入までは至らずに食べることのなくなった食べ物の1つでした。
それが何で焼き芋を作るようになったのかの切っ掛けは忘れましたが、昨年の冬頃から何度も作っていて、自分でも不思議なくらいです。表面が焦げて芳ばしい香りで、中がとろけるようなねっとりとした焼き芋は、正に絶品です。
焼き芋に興味を持ってからネットで調べたのですが、適した品種には数種が挙げられていました。
- 「紅あずま」 全国の焼き芋屋さんが使用している元祖なんだとか
- 「鳴門金時」 冬は群馬藤岡駅の通りのセブンに何故か置かれている品種
- 「安納芋」 しっとり系の焼き芋ブームの火付け役の品種なんだとか
- 「紅はるか」 ”安納芋よりはるかに甘い”からの命名らしい、…裏付けはありませんが…
- 「種子島紫芋」 赤ワインと同じ成分のポリフェノールを含むらしい
- 「シルクスイート」 普通のさつまいもよりも甘くて安納芋よりも甘くなく繊維が少ない
他にも挙げられている品種は存在するようですが、関東の私の周辺ではこんな感じでしょうか。ネットには画像も沢山載せられているので、気になる方は検索してみてください。
焼き芋にハマってからの数カ月で、それ以前の生涯に食べた回数を上回っているのではないかと思うほど一気に作っています。もちろん作ったら自分で食べることもありますが、あまり多くは食べません。自分で食べるのはどちらかと言うと味見程度で、妻や妻の母親が旨いとす。
フライパンに収まる数本をまとめて焼くので、ほとんど一度では食べきれないため、残りはラップして冷蔵庫に入ったまま寝かされます。昔の焼き芋は暖かくてホクホクしたイメージがありましたが、冷えてねっとりとした甘い焼き芋も、昔からの焼き芋とは別なスイーツとして旨いです。
それでは焼き芋を作る私の方法についての説明です。いつも26cmのフライパンと耐熱ガラスの蓋を利用して、都市ガスのガスレンジで単純に焼いてます。サツマイモの量が少なく小さい場合は、20cmのフライパンを例外的に使うこともありました。
今回購入した紅はるかは、1本ずつ単体(税抜き100円)で売られるような太くて大きなものでした。フライパンに収まる程度の短いものを選択しましたが、太さは直径10cmを越えるような物で、フライパンに入れたら蓋が少し浮き上がった状態でした。
焼く方法は実に単純で、ただガスで下から炙って焼くだけです。そうは言っても太いと下からの熱では中まで熱くなるのに時間がかかるので、少しだけ水を入れて蒸発するまでの数分間で芋全体に熱を行き渡らせます。そして下になった一部だけが焦げてしまうので、時々転がして下になる位置をずらします。
たったのこれだけのことですが、ガスレンジは温度が高くなって空だきに近くなると、センサーが働き勝手に火力を下げますので、加工されているフライパンの表面を傷めることもなく、摂氏100度を越える高温で、こんがりねっとりと焼き芋が焼きあがります。
生のサツマイモは、カビが発生しないようにだと思いますが、硬くて乾燥したような状態で売られています。それを時間を掛けて高温で炙っていると、サツマイモの種類にもよるのでしょうけど、砂糖が炭素と水に分解されて茶色から黒に変化するように、細い根が出ていたような表面の少し窪んだ場所から、水蒸気や液体が吹き出ているような状況になります。品種にもよると思いますが、透明で粘度のある液体が流れ出てくる場合もあります。
焼き上げる時間ですが、今回はすごく太い芋だったので、中心まで高温が長く続くように、長めの1時間20分程度焼いていました。ある程度は長く火を通した方が旨く焼けると思いますが、あまり細い芋だと逆に水分が抜け過ぎて、痩せ細ってミイラのようになってしまうかもしれないですね。
以上で、真夏のテーマとしてはふさわしくない焼き芋についてでした。