ラズパイ1B+のネット共有サーバー化で、UPSバッテリーの減少や充電の経過をメール送信させて、スマホで確認したい、との対策の続きです。
メール機能は、今迄のサーバー設定の流れからpostfixでの設定になりますが、以前の実績のあるサーバーの設定と比較しながら今回も設定しました。一応動作したように感じたのですが、送られてくるはずのログが届きませんでした。
postfixのバージョンも上がっていて、項目が少し増えているようです。丹念に見直すと一部がコメントのままになっている項目とか別に誤りとか、数件気になる場所が見つかりました。
そこを直して立ち上げ直すと、期待しているような送信が行なわれているような印象です。届かなかったログも時間を置いて再送信されたようで、数時間後に届きました。
メモとして、コメントを除いた有効行をリストしておきます。
$ cat /etc/postfix/main.cf
compatibility_level = 2
command_directory = /usr/sbin
daemon_directory = /usr/lib/postfix/sbin
data_directory = /var/lib/postfix
mail_owner = postfix
myhostname = rpi1-disk.sunao-mita.pgw.jp
mydomain = sunao-mita.pgw.jp
myorigin = $myhostname
inet_interfaces = all
mydestination = rpi1-disk, DebianPogo, DebianPogo.$mydomain, $myhostname, localhost, $mydomain
local_recipient_maps = unix:passwd.byname $alias_maps
unknown_local_recipient_reject_code = 550
mynetworks_style = host
mynetworks = 127.0.0.0/8, 192.168.11.0/24, [::ffff:127.0.0.0]/104 [::1]/128, [240d:1a:34d:7f00::0]/64
relayhost = [smtp.nifty.com]:587
smtp_sasl_auth_enable = yes
smtp_sasl_password_maps = hash:/etc/postfix/nifty.auth
smtp_sasl_security_options = noanonymous
alias_maps = hash:/etc/aliases
alias_database = hash:/etc/aliases
home_mailbox = Maildir/
smtpd_banner = $myhostname ESMTP
debugger_command =
PATH=/bin:/usr/bin:/usr/local/bin:/usr/X11R6/bin
ddd $daemon_directory/$process_name $process_id & sleep 5
sendmail_path = /usr/bin/postfix
newaliases_path = /usr/bin/newaliases
mailq_path = /usr/bin/mailq
setgid_group = postdrop
inet_protocols = ipv4, ipv6
message_size_limit = 10485760
mailbox_size_limit = 1073741824
smtpd_sasl_type = dovecot
smtpd_sasl_path = private/auth
smtpd_sasl_auth_enable = yes
smtpd_sasl_security_options = noanonymous
smtpd_sasl_local_domain = $myhostname
smtpd_recipient_restrictions = permit_mynetworks, permit_auth_destination, permit_sasl_authenticated, reject
mua_client_restrictions = permit_sasl_authenticated,reject
mua_helo_restrictions = permit_sasl_authenticated,reject
mua_sender_restrictions = permit_sasl_authenticated,reject
mailコマンドでメールするのに、以前は問題なく送信できていたのに、最近のバージョンではサーバー名が短縮されて送信されるようで、リレー先の@niftyでエラーになってしまいます。
どこかの定義で変更できるのかと思い調べたのですが、私には見つけられませんでした。対策としては、-r オプションで、リターンアドレスをフルアドレスで明示して指定することで回避できました。
メールで経過を送信できる目処が立ったので、どのように作るかですが、作成したups-readでバッテリーの容量が取得できるので、単純なシェルスクリプトで容量の変化を検知してメールを作成させることにしました。
バッテリーの減少検知では、50%を切ったら10%減少毎にメールをスマホに送信します。充電では、50%を越えたら15%充電毎にメールをスマホに送信します。
起動方法は、cronにより適当なインターバルで、毎回起動し過去と比較判定して該当すればメールを作成して終了します。
起動された前回の容量とメールを作成した時の容量をファイルに記録しておいて比較する方法です。経過をモニタしながらのデバッグで分かったことは、ups-readから渡される容量が、有り得ない数値を頻繁に表示します。
0 〜 100の範囲を超えて、120 程度は想定内と認識しますが、217 とか 193 などといった異常な数値が頻繁に出てきます。観察すると異常な数値に混じって正常な数値も有るようです。
異常な数値を排除した 0 〜 120 の範囲に入る数値は 、安定していて変化の少ない数値で推移しています。期待するバッテリーの容量と判断しても良さそうです。
対策としては、120 を超える異常な数値の時には前回の数値と置換えて無視することにしました。
$ cat bin/ups-check-mail.sh #!/bin/bash T='## UPS Battery Capacity ##' Msg='UPS Battery Capacity ' DW='*Down* : ' UP='*Up* : ' Rt='sunao@rpi1-disk.sunao-mita.pgw.jp' To='sunao*****@yahoo.**.jp' # スマホのメールアドレス FC='UPS-Check/UPSCap.txt' # 前回の容量メモ FM='UPS-Check/UPSCap-msg.txt' # メール生成時の容量メモ C=`ups-read` test -f $FC || echo 100 > $FC # メモファイルが無い場合 test -f $FM || echo 100 > $FM # メモファイルが無い場合 UPSCap=`cat $FC` UPSmsg=`cat $FM` test $C -gt 120 && C=$UPSCap # 120% を越えていれば異常と判断し、前回値に補正 if [ $C -lt $UPSCap ]; then ### 放電 ; 前回との減少変化を検知 if [ $C -lt 50 ] && [ $((C+9)) -lt $UPSmsg ]; then # < 50% ; 10% 減少毎にメール作成 echo $C > $FM Tl=`echo "$T" | sed -r "s/( ##)$/ *DOWN* ( $C% )\1/"` # 減少メールのタイトル作成 # echo "タイトル: $Tl" # debug 確認用 echo -e "`date`\n$Msg$DW$C %" | mail -s "$Tl" -r "$Rt" "$To" # メールの転送 fi else if [ $C -gt $UPSCap ]; then ### 充電 ; 前回との増加変化を検知 if [ $C -gt 50 ] && [ $((C-14)) -gt $UPSmsg ]; then # 50% < ; 15% 増加毎にメール作成 echo $C > $FM Tl=`echo "$T" | sed -r "s/( ##)$/ *UP* ( $C% )\1/"` # 増加メールのタイトル作成 # echo "タイトル: $Tl" # debug 確認用 echo -e "`date`\n$Msg$UP$C %" | mail -s "$Tl" -r "$Rt" "$To" # メールの転送 fi fi fi echo $C > $FC # 今の容量を記録
AC100V電源を止めても、2時間近くはバッテリーで動作していますが、しばらく待っているとスマホにメールが送られてきます。
備忘録として、単体での起動なら例えば /home/sunao/bin/ の下にスクリプトを置いて起動できますが、cron からの起動ではスクリプトが見付けられずにエラーとなります。cron では、最低限のPATH設定となっているからです。
crontab -e で、起動時間や起動スクリプトを編集する定義の中で、さらに先の行に、PATH= 定義を記述して実行モジュールを読み込むディレクトリをリストしておくとパスが省略されていても起動できるようです。
$ crontab -e # m h dom mon dow command PATH=/home/sunao/bin:/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/sbin:/bin ##### UPS バッテリーの変化でメール作成 ###### */5 * * * * ups-check-mail.sh > /dev/null
スマホには、8 〜 9 分間隔で 10%減のメールが届きます。逆に充電時は、11 〜 12 分間隔で 15%増のメールが届きます。気休めですがメールが送られると少し安心できます。
まだ手を加えたい箇所はあるもののネット共有サーバーとして利用できそうな状況になってきました。